
どこの老人ホームに入ろうか検討したり、知人と老人ホームの良し悪しについて語ったりするときなど、介護生活についての知識が薄いうちは混乱をすることがあるかもしれません。
「老人ホーム」という言葉には2つの意味・概念があること、ご存じですか?
介護生活施設の総称としての老人ホーム。
まず1つ目の意味は、介護生活施設の総称として用いられる「老人ホーム」です。
老人ホームに類似する、介護サービスを受けられる高齢者居住施設は非常に多くの種類があります。これらをひっくるめて、わかりやすく「老人ホーム」と呼ぶことは多いです。
介護についてあまり詳しくない人が「老人ホームが」と言うとき、それはこの、総称としての意味合いであることが多いです。
「介護付き有料老人ホーム」や「在宅有料老人ホーム」の略としての老人ホーム。
上のトピックで、介護生活施設には非常に多くの種類があると書きました。
特養(特別養護老人ホーム)
介護付き有料老人ホーム
住宅型有料老人ホーム
老健(介護老人保健施設)
介護医療院
ケアハウス(介護型)
グループホーム
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
シニア向け分譲マンション
主要なものを挙げるだけでも9種類になりました。実際にはもっとあります。
こうした種類の中に、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」という2種があります。これらの施設種の省略語として、「老人ホーム」という言葉が使われることもあります。
最近見ない隣のお爺さんはどこに行ったの?
例を挙げてみましょう。
近所の高齢のお爺さんを、「最近見なくなったな」と思っていたら、その奥さんに会いました。「お爺さんはどこにいるのですか?」と尋ねると、「老人ホームよ」と奥さんは言いました。
しかしこのお爺さんは、特養(特別養護老人ホーム)に入っているかもしれません。奥さんは、「特養」という言葉よりも「老人ホーム」という言葉のほうが一般的だと察して、「老人ホームに入った」と言ったかもしれないのです。
「近所の老人ホーム」ってどこのこと?
たとば、「近所の老人ホームに入ればいい」などと言われたとき、それは「近所にある介護付き有料老人ホームに入ればいい」という意味かもしれませんし、「一番最寄りの介護生活施設であるグループホームに入ったらいい」という意味かもしれません。
そのやりとりだけでは誰も特定はできないので、もう少し突っこんで、「それ、どこの施設のこと言ってるの?」などと尋ねる必要がありそうです。
いかがでしたか?
特養やグループホーム、サ高住などのことも、「老人ホーム」と言うことがあるのです。
言い換えると、「老人ホーム」には様々なタイプの施設があるのです。シニア向け分譲マンションなどは、老人ホームというよりはバリアフリーマンションですね。
在宅介護が長い人でも、こうしたことをあまりわかっていないことがあります。
わかりやすい言葉で話してあげたほうがよいですね。