なぜ今さら!?
いま三十代以上の年齢の人々からすればフシギにも思える現象が、カメラ業界に起きています。それが、「写ルンです」のリバイバルブーム。
しかも、それを支えているのは、当時を知り懐かしむ中高年世代ではなく、若者世代なのだとか・・・。外遊びよりもTVゲームを好み、読書よりもスマホを好むこの世代が、一体なぜ「写ルンです」に飛びつくのでしょう?
当記事では、「写ルンです」のブームの背景のみならず、そんな「写ルンです」のリバイバルブームを徹底的に遊び倒しちゃうテクニックも満載でお届けします。iPhoneに転送する方法を知りたがっている若者世代も必見ですよ!
1.なぜ「写ルンです」」は再び流行ったのか?
なぜ「写ルンです」が再び流行ったのか、その舞台背景から検証していきましょう。
当時「写ルンです」が流行ったのは、驚くばかりの手軽さが要因だった。
まず、昔のブームが起こった要因を振り返ってみます。
「写ルンです」は、1986年に発売されました。「お正月を写そ♪」で有名な富士フィルムが開発したもので、コニカなどのライバル企業も同じような製品を発売しています。しかし富士フィルムの「写ルンです」がもっぱら、この簡易カメラの代名詞でしたよね。
「写ルンです」が爆発的に流行ったのは、驚くばかりの「手軽さ」からでした。カメラがまだ高級品で、しかもオート機能任せなんてできなかった時代。カメラを扱う人はほんの一部だった時代です。
そんな中、ピント合わせも露出も何も気にせずに写真が撮れる、しかも1台1,000円ばかしで買えてしまうという気軽さは、驚異的な革命でした。
大人はもちろん、子供たちでさえカメラを持つ自由が与えられ、修学旅行や遠足、思い出深い行事では、誰もがその手に「写ルンです」を持っていたものです。
今のブームの要因は、アナログ特有の独特の風味。
では逆に、なぜ「写ルンです」が廃れていったのでしょうか?2000年前後にカメラのデジタル化が進み、そこそこの性能のものが1~2万円でも買えるようになったことで、「写ルンです」の画質が古臭く、ちゃちっぽく感じるようになったからでしょう。
カメラは、いよいよ一眼レフまでデジタル化が完了し、ミラーレスというお手軽なレンズ交換式カメラまで登場し、iPhoneをはじめとしたスマートホンのカメラ機能もどんどん高画質化していきました。
SNSやインスタグラムの台頭により、写真でアイデンティティを表現する人の数も激増していきます。今や、趣味の一つというよりも万人にとっても生活の一部と言えるほどでしょう。
しかし、カメラの進化が頭打ちになりはじめたことで、周りより目立ち、個性を発揮するためには、「より高画質」よりも「見慣れないレトロ感」のほうが有効になりはじめました。この流れを作ったのがインスタグラムでしたね。インスタグラムは、写真を加工するアートフィルターが充実しており、そしてその多くはレトロ感や独特の風合いを表現するものでした。
そして、若者たちが気づいたのです。「写ルンです」で撮った写真は、インスタグラムのレトロ調とよく似てるんじゃない?
こうしてインスタグラムは、超高画質の一眼カメラを望む層とは異なる、レトロ調の写真を好むインスタ女子やOLYMPUSオリンパスの「PEN」女子たちを中心に、流行していったのでした。
価格面の手軽さも、普及の要因の一つ。
「写ルンです」の特集サイトなどを見ていると、「写ルンです」に掛かる諸費用について紹介されていることが多いです。本体購入費だけでなく現像代なども掛かり、SNSに投稿するためにデジタル化することまで考えると、1本あたり2,000円以上。「けっこうなお値段ですね」と結論付けられています。
しかし、本当にそうでしょうか?
カメラ趣味において、「正当派の高画質主義」の流れに乗ってしまうなら、一眼レフカメラのエントリー機でも10万円近くはします。1~2万円のコンパクトデジカメならまだしも、10万円などという額はやはり、20才そこそこの若者たちにはなかなか手が出せません。10万円の一眼レフやミラーレスカメラを買う若者は増えてはいますが、しかし全体から見ればほんの1~2割程度でしょう。
残りの8割9割は、写真で遊べないのでしょうか?それはあまりにもつまらなすぎます。
「写真は流行っている。しかし高級品には手が出ない」そんな状況の中で、予算の少ないカメラ好きの若者たちが選んだのが「写ルンです」だったわけです。
「写ルンです」を50台も買って現像するなら、一眼レフを買うよりも高くついてしまうわけなのですが、そこまで続くかはわからないし、分割払いのような手軽さがあります。イベントの時だけ2,000円払う、日常を撮るにしても1カ月に1本くらいのペースで使いきる、といったやり方であれば、大した金銭的負担にはならないというわけですね。
「写ルンです」では、「レトロ主義」と「不況時代」の2つの要因が組み合わさって、ここまで再流行したと言えるでしょう。
「写ルンです」の画質を「低質」と言い放ってしまうと、阻害されてしまう!
正直な話、ある程度カメラについて見識があり目の肥えている人からすると、「写ルンです」で撮った写真の画質というのは、あまり愛でられるものとは感じられないのではないでしょうか。
「味がある」「めちゃくちゃオシャレ」という言葉が添えられていても、素直に「そうだね」とはうなずけないような・・・。
実際、LEICAライカのカメラやフィルム時代の一眼カメラが写し出す「昔の風合い」と「写ルンです」は似て非なるものだったりするのですが、そこで「いや、これは低質だよ」と言い放つのは控えましょう。相手に失礼ということもありますが、あなたが阻害され、孤立してしまいます。
「写ルンです」の画質の人気は、「レトロちっく」にもありますが、その最たるものは、漠然とした「写ルンです」全体の空気にあるわけです。これは、例えてみれば、ファミコンのゲームソフトに対して男性たちが盛り上がることに似ています。ファミコンのリバイバルブームの構成員にも中年世代と若者世代の両方がいますが、いずれにせよ高性能だから愛でているわけではなく、「ファミコンっぽさ」という独特の感覚に気持ちよさを感じているのです。
スペックでは測れない、性能では測れない良さというものがあるのですね。
2.「写ルンです」ってどんなカメラなの?老いも若きも知らないことだらけ!
それでは次は、「写ルンです」がどんなカメラであるか、その解析に入っていきましょう。これから「写ルンです」ブームに乗りたい若者たちも、昔なんとなく「写ルンです」を触っていた中高年世代も、どちらも楽しめる内容になっていますよ。
「写ルンです」では、2つの意味で「使い捨てカメラ」ではない!
「写ルンです」ってナニ?そう問われたならば、「使い捨てカメラのことでしょ」と答える人は多いことでしょう。しかし実は、それは2つの意味で、正確な答えではないんです。
「写ルンです」の正式な品種名は、「レンズ付きフィルム」である。
「写ルンです」は、「カメラ」というカテゴリーの商品ではないのです。カメラ分野の商品の一種ではありますが、レンズなのです。「写ルンです」のパッケージには、「レンズ付きフィルム」という名称が書かれています。レンズの付属されたフィルム商品であって、「カメラ」ではないという解釈なんですね。
とはいえ、これは屁理屈のようなものかもしれません。
なぜ「写ルンです」が「カメラ」を名乗らずに「レンズ付きフィルム」を名乗るかというと、「カメラ」という品種にしてしまうと、お客さんが現像に出した際に、「本体を返してよ!」と言われてしまうから。
「写ルンです」は、低コストで簡素なカメラ機能を付けることでフィルムを高く売るコンセプトの商品であるため、「写ルンです」本体にフィルムを入れ替えて再利用されては困ります。そのため、これはレンズ付きの「フィルム」です、と謳うことで、現像時の返却義務を回避したのですね。
現像に出された「写ルンです」は、捨てられずにリユースされている。
ユーザー側からすれば、一回きりの使用で商品寿命が終わってしまうことから「使い捨てカメラ」と呼ばれましたが、実際のところ、「写ルンです」は1回で使い捨てられているわけではないのです。
カメラ屋さんに現像に出すと、その「写ルンです」は各メーカーに回収され、レンズやボディ、精密機器の部分が再利用されます。また新しいフィルムを積み、キレイに化粧直しして、再び店頭に並ぶのです。
「写ルンです」が異様に安い理由は、ここにもあるでしょう。90年代の量産化と値崩れの進んだ時期には、1台400円くらいで売られていましたからね。
「写ルンです」もちゃんとスペック設定がなされている!
とても安価でシンプルな「写ルンです」。構造も、テキトウにレンズやシャッターが取り付けられているだけなのかと思いきや・・・「写ルンです」は、綿密にスペック設定が研究され、設計されているのです。
「写ルンです」は、枚数の違いだけでなく高感度モデルや(昔は)望遠用、パノラマ用など様々な用途のものが出ていましたが、それぞれの用途に合わせてスペックは考慮されているのです。
たとえば、現代「写ルンです」のスタンダードモデルは、F値10、シャッタースピードが1/140秒となっています。
「フィルムの巻取り」が必要なので、気を付けて!
ここからは、オールドユーザーには常識なことです。しかし、デジタルカメラしか知らない若者世代にとっては、新鮮な話でしょう。
「写ルンです」はとても操作が簡単で、カメラの知識がなくても買ってすぐに使えます。シャッターを押せばカチっと音が鳴り、もう写真が撮れています。
でも、・・・あれ?もう1回押しても、写真が撮れない!?
デジタルカメラには無い概念なのですが、フィルムカメラは「フィルムの巻取り」という作業をしなければならないのです。フィルムカメラでも普通のカメラであれば、ボディが自動で巻取りを行ってくれるのですが、機能がシンプル化されている「写ルンです」の場合、撮影者が自分で巻取り作業をしなくてはなりません。
とは言え、概念さえ知っていればとてもカンタン。シャッターの近くにギザギザ型のダイヤルがあるので、それをギリギリと回せば良いだけです。必要な巻取りが完了すればそれ以上は動かなくなるので、微妙な調節などは要りません。
なお、所定の枚数が撮り終わったあとは、最後まで巻取りを行ってから現像に出すルールになっているので、それもお忘れなく。
「現像」や「プリント」って知ってる?
「現像」も、デジタルカメラしか知らない人々には未知で新鮮な概念でしょう。
デジタルカメラは、撮ったらあとは好きな画像を指定してプリントをすれば写真になりますが、フィルムカメラはそうはいきません。
撮り終えたフィルムは、家に現像用の設備があるのでもない限り、カメラ屋さんに持っていく必要があります。小さな商店やクリーニング屋さんでも現像を扱っていることがありますね。
そうした店に委託して紙の写真にしてもらうわけなのですが、スタッフに依頼する際、「現像とプリント、両方をお願いします」とオーダーする必要があります。
撮り終えたフィルムは、まずは「現像」という処理をします。黒白・・・というか茶色と白の2色で、プリクラくらいのサイズの写真に刷りだされた一覧表のようなもの、見た記憶がありませんか?これが現像されたネガフィルムです。
これは写真の設計図のようなもので、これをもとにカラフルな写真をプリントします。
何のためにネガフィルムなどというものを作るのでしょうか?
一般的には、現像に出されたフィルムは全部プリントしてもらうのですが、たとえばプロなどは、大量に撮影をするので、ネガフィルムの一覧表を見ながら、紙の写真へとプリントする画像を厳選するのです。プリントしたい写真のネガのところに「1枚」「10枚」などとメモ書きをして、その通りにプリントをしてもらいます。
たとえばあなたが一つの「写ルンです」を撮り終え、最初は27枚すべてをプリントするでしょうが、それを友人たちに見せていたら、「この写真とこの写真が欲しい!」なんておねだりをされるかもしれません。そのようなとき、特定の写真だけを複数枚プリントしてもらうことも、可能なのです。
ですから、最初にカメラ屋さんに持っていくときに、「とりあえず現像だけをお願いします」とオーダーすることも可能です。現像されたネガフィルムの一覧表を見ながら、プリントする写真を厳選しても良いのです。
「現像」と「プリント」の概念を知っておけば、無駄な出費を減らせますし、特定の写真だけをたくさんプリントすることも可能になります。
「27枚撮り」って・・・ホントに27枚だけなの!?
「写ルンです」には、必ず「27枚撮り」や「39枚撮り」といった枚数の表記があります。
デジタルカメラの世代にとって、「枚数」というのはピンとこないかもしれません。まぁ、SDカードにも限界があることはわかりますが、とはいえ1,000枚や2,000枚は余裕で撮れるわけで・・・。ひょっとして「27連写」のことかな?なんて、思ってしまうかもしれません。
いえいえ!連写性能のことではないのです!
「27枚撮り」と表記された「写ルンです」は、本当に27枚しか撮れません。1台の「写ルンです」で27回シャッターを切ったら、それでもうおしまいなのです。フィルムを入れ替えてまた撮ることも、出来ません。
所定の枚数を撮り終えたら、カメラ屋さんに持っていって現像やプリントをしてもらうのみです。もっと撮りたいなら、また新しい「写ルンです」を買わなければなりません。
デジタルカメラやスマートホンのように、何も考えずにどんどんパシャパシャ撮れるようなものではない(お金がどんどん掛かってしまう!)ので、くれぐれもご注意ください。ミスや無駄はなんとしても避けたいので、フィルムカメラを知らない小さなお子さんなどには触らせない方がよいですね。
「写ルンです」は現在、3種のラインナップがある。
シンプルな作りの「写ルンです」ですが、現在では3種類のラインナップが発売されています。それぞれ特徴があるので、用途に応じて使い分けましょう。
価格は、シンプルエースで1,000円弱、防水仕様のもので1,500円くらいが現在の相場のようです。シンプルエースなら、お店によっては400~500円くらいで買えるところもあるでしょう。ただし、山の上や遊園地などに入ると、1,500円くらいまで値上がりすることも。
(1)「写ルンです」シンプルエース
ISO:400
絞り値:F10
シャッタースピード:1/140 秒
焦点距離:1m~無限遠
最もスタンダートなモデルで、屋外での撮影がメインの場合はこれを選ぶとよいです。昔と比べてファインダーも大きくなり、グリップも持ちやすくなり、フォルムも丸みを帯びていますね。フラッシュももちろん内蔵しています。
(2)「写ルンです」1600 Hi-Speed
ISO:1600
絞り値:F14
シャッタースピード:1/200 秒
焦点距離:0.8m~無限遠
ISO感度がシンプルエースよりも大幅に上がり、暗い場所での撮影に強くなっています。シャッタースピードも1.5倍くらい速くなっており、そのためブレにくさもシンプルエースより上です。Hi-Speedの名前のとおり、速い動きの多いスポーツや小さな子供、ペットの撮影などに向いていますね。また、焦点距離が0.8m~になっているので、シンプルエースよりもアップで撮ることが出来ます。友人たちとのスナップにもこちらのほうが向いていそうです。ただし、0.8m~だと自撮りは厳しいでしょう。近すぎて焦点が合わず、あなたの顔がボケてしまいます。
(3)水に強い写ルンです New Waterproof
絞り値:F10
シャッタースピード:1/125 秒
耐水性:水深10mまで
焦点距離:陸上では1m~無限遠 水中では1m~3m
なんと、「写ルンです」には防水仕様のものまであります!デジタルカメラの防水仕様のものは30,000円くらいはしますが、「写ルンです」のウォータープルーフは1,500円くらいで買えてしまうんです!海やプールで水をかぶってもへっちゃらなだけでなく、水深10mまで耐えられるので、ちょっとしたスキューバダイビングでも活躍できます。
ちなみに、「写ルンです」の読み方は「うつるんです」ですよ。
「写ルンです」を「しゃるんです」と読んでしまう人がかなり多いとのこと。「写ルンです」の読み方は「うつるんです」です。これは、友人知人との会話の中で間違えてしまうとかなり恥ずかしいので、くれぐれもお間違えのないように。
3.「写ルンです」の使い方完全マニュアル!
それでは、「写ルンです」の使い方を徹底解説していきましょう。F値もシャッタースピードも露出の設定も要らない世界一カンタンなカメラですが、しかしこのカメラの特徴を最大限に楽しむためには、知っておくべきことが幾つかはあるんです。
(1)被写体からある程度(1m以上)距離をとって撮影すること。
(2)背景をボカす写真は「写ルンです」では撮れないということ。
(3)ズームはできない!
(4)連写も出来ない!
(5)現像やプリントは、お店に持っていく。
(6)インスタグラムに投稿する際は #写ルンです のハッシュタグを入れよう。
それでは、各項目をさらに詳しく解説しましょう。
(1)被写体からある程度(1m以上)距離をとって撮影すること。
「写ルンです」は、焦点距離が「1m~無限遠」(Hi-Speedモデルは0.8m~無限遠)に設定されています。これはどういうことかというと、1mより近くのものは、焦点が合わずにピンボケしてしまうのです。レンズのズームで調整することはできないので、必ず撮影者が離れて距離をとらなければいけません。ペットの接写などは向きませんし、自撮りも厳しいですね。
逆に、1m以上離れたものにはすべてピントが合う(パンフォーカス)ことになります。
とはいえ、焦点のボケた写真でも味わい深い仕上がりになることはありますし、むしろ「写ルンです」やレトロ調写真ではピンボケ写真が大活躍するので、わざと近くに寄って撮影してみるのも面白いでしょう。
(2)背景をボカす写真は「写ルンです」では撮れないということ。
写真を趣味にしたい人は、背景のボケた写真に憧れている人も多いことでしょう。しかし、「写ルンです」はその構造上、背景をボカす写真を撮ることはできません。このことは理解しておきましょう。
ただし、背景ではなく被写体の前にあるものをボカすことは可能ではあります。そのようなアングルを使って奥行きのある写真を狙うのも面白いですね。
(3)ズームはできない!
「写ルンです」は、レンズはあれどもズーム機能までは搭載していないので、被写体をより大きく拡大して撮るようなことは出来ません。被写体を大きく撮りたいなら、自分の足で前に歩いて寄っていくしかないのです。
「写ルンです」では、「アップの構図は足で稼ぐ」ということを理解しておかないと、なんだかいつも、被写体が小さく遠くに写っていたり、不格好な風景写真になってしまいがちなので、注意が必要です。
(4)連写も出来ない!
「写ルンです」は、1回シャッターを切るごとに手動でフィルムの巻き上げを行わなくてはなりません。巻き上げ作業自体はダイヤルを回すだけなので簡単なのですが、その作業は急いでも2~3秒は必ず要します。すると、連写撮影というのは「写ルンです」では不可能なのです。
スポーツや、表情豊かにはしゃぎまわる子供の目まぐるしい表情をつぶさに切り取る、というようなことは「写ルンです」では出来ないので、ご注意を。
(5)現像やプリントは、お店に持っていく。
デジタルカメラやスマートホンカメラの場合、撮ったあとはすぐに、パソコンやスマートホンでシェアすることができます。しかし「写ルンです」の場合、お店に持っていって現像・プリントをしてもらうことが必須です。
費用は、現像については固定料金で、27枚撮りのフィルムで600円くらいでしょうか。プリントは、1枚10円~30円くらいで、プリントする枚数を掛けたものが総額になります。すると、27枚撮りの「写ルンです」を現像し、全部1枚ずつプリントしてもらうなら、1,000~1,500円くらいになるでしょう。
カメラの専門店よりも、小商店やクリーニング屋さんの仲介店のほうが安い傾向にあります。値段が高いほうが画質も良い傾向にあり、または即時プリントをすることで高い値段を取っていることもあります。
とはいえ「写ルンです」らしいレトロな風合いを重視するなら、むしろ画質のよくない安いお店に頼んだほうが、好ましい画質に仕上がるかもしれませんよ!
(6)インスタグラムに投稿する際は #写ルンです のハッシュタグを入れよう。
「写ルンです」で写真を撮ったなら、写真好きな友人たちと共有することでさらに盛り上がりますよね。
インスタグラムで投稿する際は、ぜひ #写ルンです のハッシュタグを入れましょう。
こうすることによって、「写ルンです」で撮られた写真に興味のある世界中のインスタグラマーたちにあなたの写真が注目してもらえるようになります。また、あなた自身も他の「写ルンです」ユーザーの写真を鑑賞しやすくなりますね。
4.iPhoneやAndroidスマートホンに「写ルンです」で撮った写真を移すには?
「写ルンです」の使い方の中でも、iPhoneやその他のスマートホンにデータを写して、インスタグラムなどにアップするための手順については、別トピックを設けて解説しましょう。
手順1:現像のお店に持っていって、データCDを作ってもらう。
手順2:写真データの入ったCDやSDカードなどを、パソコンに取り込む。
手順3:写真データをiTuneに取り込み、iPhoneと同期する。Androidであれば、端末をパソコンに繋げてPictureフォルダにコピーする。
番外編1:フィルムスキャナーを使えば自宅でもデータ化が出来る。
それでは、それぞれの手順をもっと詳しく解説します。
手順1:現像のお店に持っていって、データCDを作ってもらう。
「写ルンです」のフィルムを撮り終えたら、カメラ屋さんに持っていきますね。この際、現像やプリントだけでなく、「フィルムのデータCD化」をオーダーしましょう。
カメラや写真の専門店であれば大抵は扱っているはずで、そのようなポスターも貼ってあるでしょう。
一般的に、フィルムをデータ化した画像ファイルはCD-Rに焼いてもらうことになりますが、中にはSDカードやUSBメモリに保存してくれるような場合もあります。
価格はフィルム1本につき500円前後でしょうか。
もちろん、現像を頼むタイミングでなくても大丈夫です。一度プリントしてもらって、素敵な写真がたくさん撮れていたからデータ化したいな、と思ったなら、後々でもネガフィルムを持っていて、データ化をオーダーしましょう。
また、「紙の写真は必要ないよ」という場合には、「データ化だけをオーダーする」ということも可能です。
手順2:写真データの入ったCDやSDカードなどを、パソコンに取り込む。
カメラ屋さんでCDに焼いてもらった写真データは、スマートホンで閲覧や投稿をする前にいったんパソコンに取り込む必要があります。
CD-Rをパソコンのドライブに入れれば中身の写真データが表示されるので、それをまずは、パソコンの好きな場所に保存しましょう。この手順を一から説明しているとスペースがいくらあっても足りないので、わからなければ身近な人に尋ねながらやってみてください。パソコンの初心者でも出来る簡単な作業です。
手順3:写真データをiTuneに取り込み、iPhoneと同期する。Androidであれば、端末をパソコンに繋げてPictureフォルダにコピーする。
iPhoneの場合、写真データはiTuneを介して移動しなければなりません。
まずはパソコン上でiTuneを開いて、パソコンに保存した写真データをiTuneに反映させます。次に、iPhoneをパソコンに繋ぎ、音楽データを移すときのように同期させます。これでiPhoneの中に「写ルンです」の写真データが保存されたので、あとはインスタグラムにアップしたりFacebookにアップしたり、SNOWアプリで加工したりと、お好きなようにデジタル遊びをしてください。
Androidのスマートホンの場合、iPhoneよりも簡単です。
Androidのスマートホンをパソコンに繋げると、スマートホンの中のフォルダが表示されます。その中の「Picture」フォルダ、またはお好きなフォルダに、「写ルンです」の写真データをコピーします。これでもうスマートホンにも保存されているので、あとはお好きなようにインスタグラムにアップしたり、さらにレトロ加工を施したりしてお楽しみください。
番外編1:フィルムスキャナーを使えば自宅でもデータ化が出来る。
様々にあるパソコン周辺機器の中には、ネガフィルムのデータをポジ化(カラー化)しつつパソコンに取り込むことの出来る機械もあるのです。機能やサイズにより様々なものがありますが、価格は5,000円くらいから見つかるでしょう。
「写ルンです」でどんどん写真を撮ってパソコンやスマートホンに移していきたい、他のカメラで撮ったフィルムもパソコンにデータ保存したい、という場合には、フィルムスキャナーを購入するほうが安上がりになり、また手軽にもなりますね。
いかがでしたか?
「写ルンです」にF値やシャッタースピードが設定されていたなどというのは、当時100台も「写ルンです」を撮り倒したヘビーユーザーでも知らなかったのではないでしょうか?
当時は、ズームもできないし画質は古ぼけているし、つまらないカメラだなぁと感じた人が多かったと思いますが、その個性を活用して淡いレトロな、アーティスティックな写真を撮るべく腕をふるうと、とたんに「写ルンです」が興味深い個性カメラに早変わりします。
さらに面白い撮り方を見つけて、インスタグラマーの注目を集めのも面白いですね。